第１５１回、芥川賞と直木賞の選考会が開かれ、芥川賞に柴崎友香さんの『春の庭』が、直木賞には黒川博行さんの『破門』が選ばれました。

　「完成度、成熟度において一番良かった」（選考委員）

　芥川賞に決まった柴崎友香さん（４０）の「春の庭」は、東京、世田谷を主な舞台とした作品で、東京論や風景論としても読める中編小説です。選考理由について選考委員の高樹のぶ子さんは「時間の厚みというものと色彩というものが一緒にゆらめいている」などと説明しました。

　「１回目の投票から圧倒的な支持で１回目でクリア。忍耐力と小説家の魂みたいなものが今回の賞に至ったということは、作品以外のことで各選者が非常に支持した」（選考委員）

　直木賞に選ばれた黒川博行さん（６５）の「破門」は、１９９７年に直木賞候補となった「疫病神」から始まる人気作、「疫病神」シリーズの最新刊です。

　選考では、ほかの５作品と比べて圧倒的な支持を得たということですが、黒川さんは、受賞の知らせを麻雀店で聞いたということです。