岡山・倉敷市で女子児童が行方不明となって丸3日。捜査線上にはシルバーの不審車両の男が急浮上している。シルバーの不審車両は、これまでにもたびたび目撃されていて、警察が所有者の特定を急いでいる。

妹思いの優しい子として近所でも評判だった、岡山・倉敷市の小学5年生・森山咲良(さくら)さん(11)。

咲良さんを知る人は「(妹の面倒を?)よく面倒を見ていた。おとなしくて、べっぴんさん。すらっとした子」と語った。

連日の捜索作業にもかかわらず、咲良さん発見につながる直接の手がかりがないまま、17日で丸3日がたった。

咲良さんの同級生の母親は「『えー、森山が?』という驚きが、すごかったみたい」と語った。

地域の子どもたちに広がる動揺。

実は、今回の一件が起きる前から、多くの人が不安を口にしていた。

近所の人は「物騒、不審者もいるし。子どももよく言っている」と語った。

近所で相次いだ不審者の目撃情報。

そして、今回の咲良さん行方不明の一件でも浮かび上がってきたのが、ある不審な車の存在だった。

これまでの取材で、行方不明になる直前の咲良さんの姿が目撃されたのは、学校を出て、およそ30分が経過した午後4時半ごろ。

咲良さんの自宅手前およそ100メートルの場所だった。

咲良さんの同級生の父親は「自分の子どもを迎えに行った。その時、曲がり角で、うちの子が『咲良ちゃんだ』と言った」と語った。

この午後4時半ごろには、周辺でほかにも重要な目撃情報が集中していた。

それがシルバーの車に関するもの。

不審者を目撃したという人は「(車が止まっていたのはいつ?)午後4時半から午後4時45分の間。(何色の車?)シルバー。(普段見かける車?)見ない」と語った。

この女性が不審なシルバーの車を見たのは、咲良さんの自宅から、すぐそばの場所だった。

車の中では、1人の若い男性が運転席に座り、うつむいているような様子が目撃されたという。

さらに、捜査関係者によると、ほぼ同時刻の14日午後4時半ごろ、自宅近くで30代から40代の男性と話す咲良さんの姿、そして、そのすぐそばには、シルバーの車が止まっているのを近所の人が目撃していたという。

目撃された見慣れぬシルバーの車と1人の男、そして咲良さん。

取材を重ねると、咲良さんに不審者の影が迫ったのは、今回が初めてではないことがわかってきた。

咲良さんの同級生によると、1～2年前、スタジアムがある公園を咲良さんが下校中、自転車に乗る不審者に声をかけられていたという。

咲良さんの同級生の母親は「咲良さんが(背後から)声をかけられて。自転車に乗った人に。前から『あの人怪しいよ』という話は、子どもの間で出ていて、(咲良さんに)『逃げて!』と叫んだことがあるとは、うちの子が言っていた」と語った。

そして、2014年に入っても、不審者が目撃されていた。

咲良さんの親族は「(数カ月前に)後をつけられたようなことがあった。学校と警察には、そういうことがあったと報告したという」と語った。

2014年5月、下校する咲良さんを母親が迎えに行ったところ、自宅近くの通学路で、帰ってくる咲良さんのすぐそばに、不審な銀色の車が止まっているのを見かけたという。

これに加え、6月上旬にも、咲良さんの母親が周囲で不審な車を目撃。

どちらも同じシルバーの車だったという。

こうした事態を受け、GPS(衛星利用測位システム)機能のついた携帯電話を持つようになった咲良さん。

しかし今回、またしてもシルバーの車が咲良さんのそばで目撃され、それを最後に咲良さんの行方がわからなくなった。

警察は、一連のシルバーの車が同一のものである可能性も含め、所有者の特定を急ぐとともに、咲良さんの目撃情報などについても、引き続き、情報提供を呼びかけている。

情報提供は倉敷警察署、電話番号「086-426-0110」まで。