別府市湯山の山林火災は１５時間以上燃え続け、２５日午前１０時７分に鎮火した。別府署によると、焼失面積は約１００ヘクタール。同署と市消防本部は実況見分を始め、原因を調べている。

　火災は２４日夕に発生。別府市消防本部などから消防車２５台が出動したほか大分市消防局、由布市消防本部からも水槽車が２台出動し、消火作業を夜通し続けた。２５日は夜明けとともに県の防災ヘリコプター１機と佐賀県の自衛隊目達原駐屯地所属のヘリ３機も出動。消防隊員、自衛隊員ら約５００人が消火活動をし、別府署員約３０人が警戒に当たった。

　浜田博市長は２５日午前、陸上自衛隊十文字原演習場入り口付近から火災現場を視察。近隣の障害者支援施設、老人ホーム、クレー射撃場などを訪問して現地の情報収集に当たった。

　浜田市長は「かつてない規模の林野火災となり市民、県民、全国の方々に心配をかけ、大変申し訳ない。近くに民家などがなく、大きな被害がなかったことが幸いだった。防火帯の点検など安全性を再確認していきたい」と話した。

ヘリが交代で放水

　２４日夕から燃え続けた別府市湯山の火災現場は、２５日早朝には火勢が弱まったものの山肌からは煙が立ちのぼり、県や陸上自衛隊のヘリが交代で散水した。午前９時ごろ炎は見えなくなったが、煙がくすぶる部分などに放水を続けた。周囲では、住民らが心配そうな表情で消火活動を見守っていた。別府市内の７０代男性は「家に燃え移らんでよかった」と安堵（あんど）の表情を浮かべた。